通常、医療施設では医師をはじめ、看護師、薬剤師、検査技師といった他職種のスタッフが連携して、感染対策のチームを構成しています。そして、その中心的な存在として活躍しているのが感染管理認定看護師です。感染症学をはじめ、微生物学、疫学といった感染に関わる専門知識を身に付けた上で、医療機関全体の感染症の発生状況を把握し、最適な感染管理プログラムを構築しています。
感染管理認定看護師の役割は、患者さんやその家族が安全に入院生活を送ること、そして施設内の全てのスタッフをさまざまな感染症から守り、安心して働いてもらうことです。そのため、感染管理認定看護師の活動は、感染対策の実践だけにとどまらず、職員対象の院内感染対策研修や指導、感染対策のマニュアル作り、スタッフからの感染に関する相談対応など多岐にわたります。
感染管理認定看護師になるためには、認定機関での教育を受けて知識と技術を習得し、認定審査に合格することが必要です。また、5年ごとに認定資格の更新があり、更新時の審査や資料の提出も行うことから、認定資格の取得後も研修会や学会への参加など、学びを続けることが大切になります。新型コロナウィルス感染症をはじめとした感染症対応の必要性の高まりから、医療機関における感染管理認定看護師に求める役割はますます大きくなっています。施設内だけにとどまらず、近隣の医療機関と連携して地域の感染対策の向上に努めるなど、最前線での活躍が期待されています。