感染管理認定看護師は、感染症についての専門的な知識や技術を持つ看護師のことで、公益社団法人日本看護協会が認定する認定看護師の一つです。近年、新型コロナウィルス感染症の感染拡大によって、医療提供体制が大きく変化する中、患者さんやスタッフを感染から守る感染管理認定看護師のニーズはますます高まっています。しかし、感染管理認定看護師として働くためには、指定された教育機関の試験に合格してから、感染管理に役立つ疫学、微生物学、関係法規などを幅広く学び、終了後の認定審査に通らなくてはいけません。そのため、逼迫した医療ニーズに応えるべく、感染管理認定看護師養成課程を新設する教育機関も増えていて、感染管理認定看護師の増員を推進するための国をあげた取り組みが行われています。
また、現場で働く看護師の間でも、感染管理認定看護師の資格を取りたいと考える人が多くなっています。感染管理認定看護師になるメリットは、感染対策に伴う他職種との交流を通して通常業務においても働きやすくなること、院外の研修会や学会に出席する機会が増えて視野が広がること、人前での発言の場が与えられるためプレゼン力などのスキルアップにつながることなどです。
さらに、施設によっては感染管理認定看護師に対する手当が支給されることから、給与額のアップといった待遇面での改善も期待できます。社会的ニーズや求められる役割が大きくなる中、やりがいが感じられるキャリアアップの一つの方法として、感染管理認定看護師を目指すという選択肢に注目が集まっています。